夕方、出先から帰宅して一階に設置されている郵便受けを開けると、何通かのダイレクトメールの中に一枚にハガキが混ざっていた。
(お! やっと届いたな・・・)
そのハガキは、モロッコ滞在中に日本の自宅宛てに書いて送ったものだった。
・・・
昨年9月に旅したイランでは、旅行会社がサービスの一環として、日本へのエアメール用の切手を3通分配ってくれた。
そのサービスはいつも行っているものだが、その時は旅の途中でなかなか調達できなかったようで、
旅程の最後の方になってようやく配ってくれたと言うことがあった。
帰国の2日前にハガキに切手を貼って投函しても、そのハガキが日本に着くのは我々が帰国してからかなり後になるのは明らかだったので、身近な人にハガキを出すのにはちょっと間が抜けるような感じがして、ハガキを出すタイミングを逸してしまった。
「今、イランのイスファハンに来ています」と書いたハガキが日本に着くのは、帰国してからそのハガキを送った相手ととっくに会っていて、旅の土産話をあれこれと話した後・・・、そんな光景が目に浮かんだのだ。
それで、旅の最後の時、、、帰国の旅客機の中で添乗員さんから配られたアンケートの中でそのことは指摘しておいた。
「せっかくサービスでくれる切手なら、旅の始めの段階でいただけないものか。 切手を買うチャンスがないと言うのなら、前のツアーの際その時の添乗員さんが次のツアーのために買っておいてもいいのでは?」と言うことを。
この旅行会社を次に利用する時に、果たして多少は改善されているといいのだが・・・。
・・・
今回の旅行会社はイランツアーの時と違う会社でその時の旅行会社に比べるとかなり旅行代金が安かったので、そのようなサービスはないのは承知していた。
それで、日本にエアメールを送る場合は切手を自分で調達しなければならなかったが、同じように切手を求めている人もいたようで、「早めに切ってを買いたいんですが・・・」と旅の出発前に添乗員さんから電話がかかって来た際告げると「わかりました」と返事をしてくれた。
旅の早い段階でハガキが投函できれば、自分が帰国する前に日本に届くかもしれない・・・。
モロッコから日本までは、通常1週間~10日で届くと言うことなのだ。
それなら、誰かにモロッコからエアメールを送ってもいいかもしれない・・・。
そんなことが頭にあって、さて旅の2日目。
前日は空路イタリアのローマを経由して深夜0時過ぎに「カサブランカ」に到着し、その後バスで1時間以上移動して、モロッコの首都「ラバト」に着いたのは午前も3時近かった。 そしてそこで一泊した。
翌日は朝のうちに「ラバト」の市内観光を簡単に済ませ、世界遺産の「メクネス」に移動してまた簡単な市内観光。
その後、ムーレイ・イドリスを経て世界遺産の「ヴォルビリス」へと向かった。
「ヴォルビリス」はモロッコに現存する最大のローマ遺跡だった。
その遺跡の入口を入った時、添乗員さんが入口近くにあったトイレを案内してくれた。
メクネスを出発してからは50分ほどしか経ってなかったが、やはり高齢の人が多いので、どこかへ着いたら、まずはトイレ休憩となるのはやむを無い。
そんな時、入口のトイレに近いところで添乗員さんが郵便局の出張所?を見つけたのだ。
「あ、あそこで切手が売ってるようですよ」と声を掛けてくれたのだ。
それで、恐る恐るそこに行って「日本までエアメールを送るのにはいくらですか?」と、うまくない英語で聞いてみた。
すると、その小さな出張小屋の中にいた男性は、「ジャポン?」と聞いた後、「15.6ディラハム」だと答えてくれた。
更に言うには、「切手は1枚7.8ディラハムなので、2枚貼って送れ!」と言ってくれた。
(そうか、、、1通のハガキを送るのには15.6ディラハム掛るのか、、、。 さて何通送るかな? 切手だけ持ってても記念にもなるしな・・・)
と考えて、咄嗟に、
「5通分ください!」と言った。 すると、その男性はさくさくっと計算して「78DH(ディラハム)」と、メモ紙に書いてくれた。
旅の初め、カサブランカの空港に着いた時間が深夜だったため、止む無く? ラバトに向かうバスの中で、現地ガイドさんが5,000円単位で現地通貨に両替をしてくれたが、その換算レートは5,000円=450ディラハムだった。
1ディラハム=約11.1円の換算だ。
そして、この時までまだ現地通貨は全く使ってなかったが、このほとんど旅の始めと言う段階で78ディラハムも使ってしまっていいものか?、、、と思って、ドルやユーロでも支払いは可能か?と聞いてみると大丈夫だと言ってくれた。
それで「ユーロで・・・」と言うと、またまたさくさくっと「7.8ユーロ」だと言う。
これは簡単で、1ユーロ=10ディラハムの換算になっていたようだった。
その時は、1ユーロ=115~117円くらいだったから、ガイドさんの換算レートが10ディラハム=111.1円だったので、ユーロで払うと少し損だったが、まぁ、しょうがない・・・。
その男性に10ユーロを支払うと、彼は手早く22ディラハムを返してくれた。
これで、念願の現地の切手を入手することができた。
すると、そんなやりとりを見ていて、同じツアーの人が「いくらだった?」とか聞いて来た。
そんなことがあって、その日宿泊した迷宮の旧市街、世界遺産の「フェズ」のホテルに泊まった際に、早速ハガキを書いた。
そして、買ってきたばかりの切手を貼った。
その切手は、日本の切手のように裏面に糊が付いているタイプではなく「シール式」になっている切手だった。
翌朝。
ホテルを出発する前に、フロントのカウンターの横に設置されていた「MAIL」と書かれていた箱に、投函した。
送った相手は、普段パソコンを使ってないアナログな人。 パソコンを使っている人には、適時連絡を取れるし、パソコンでなくても最近では携帯電話が海外でも使える場合がかなりあるからだ。
そして、あとは「自分宛」。
同じタイミングで自分宛に出せば、送った相手にも同じ頃届いているだろうな?と察することができると言うものだ。
さて、、、
いつ頃着くだろうか。
・・・
その「自分宛」に送ったハガキが今日、届いたのだ。
・・・
しかし、考えてみれば1通送るのに15.6ディラハムとは、かなり高い郵便料金だと思った。
15.6ディラハム=約173円、となる。
昨年、イランからハガキを送った時の切手代は、確か1,000レアルで日本円で約10円だ。
それを考えると、、、
って、こりゃ~、イランの郵便料金が安過ぎるのかもね?(^.^)