ハンガリーの3日目はホテルを午前8時に出発し、まずは磁器の町「ヘレンド」に向かった。
ホテルを出発してからも暫くは前日同様霧がかかったような状態だったが、その霧も時間が経つに連れて晴れて行った。
ジュールからヘレンドまではほぼ南に85kmで、途中山岳地帯を越えるために多少のアップダウンの道が続いた。
しかし山岳地帯とは言ってもハンガリーは基本的には平原の国で、高い山でも1000mを越える山はひとつしかないと言うくらいだから、そう高度の高いところを走っていた訳ではなさそうだった。
ホテルを出て50分ほど走ったところで左手の山の上に城塞のようなものが見えて来た。
その城塞は13世紀の頃の「チェスネック城」と言う城で、モンゴル軍に攻め落とされた城だと言うことだった。
このような城跡がハンガリーの山岳地帯にはたくさん残っているのだと言う。
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ところで日本には有名な陶磁器の産地がいろいろあるが、海外でも結構あるものだ。
これらのものを(いいなぁ~)と思ってその都度買っていたら、食器棚がいくつあっても足りなくなる。
それで以前は国内外を問わず訪れた陶磁器の産地で土産としてあれこれと買ったものだが、最近は本当に我が家の小さな食器棚の中に置くスペースがなくなって来たので、滅多なことでは買わなくなった。
思えば・・・。
初めて訪れたドイツでは、思わず浮かれてしまって蓋付の大きなビールジョッキを買ったし、スペインで買った何とか言う陶器の皿、、、これは置物として飾ってあるが、あとはベトナムで買ったバッチャン焼きのコーヒーカップ、ブルガリアで買ったトロヤン焼きの器。
どれも一度も使ってないものばかりだ。^_^;
ドイツのマイセンの磁器やイタリアのベネチアン・グラスはかなり高価なものばかりだったので買わずに済んだが、ストックスペースとお金に余裕があったら、バンバン買っていただろう。^_^;
思えば・・・。
初めて土産物として買った陶磁器は、中学校の修学旅行で京都を訪れた時に両親への土産として買った清水焼の夫婦湯呑だった。
あれはその後どうなったんだろう?
学生時代には、萩・津和野周辺を旅した時に萩焼の湯呑を両親に買い、自分用にもコーヒーカップを買った。
その湯呑はその後割れてしまったが、コーヒーカップはまだ実家に残っている。
そう言えば・・・。
5~6月に旅したポーランドでは
ボレスワヴィエツ陶器の工場を見学したが、そこでも結局何も買わなかった。
それは、既に食器棚に収めるスペースが残っていないことを自覚していたからだが、他の皆さんは結構あれこれと買っていた。
陶器に詳しい人によれば、現地の工場のショップで売っているものは日本で買うよりかなり安くお買い得と言うことだった。
なので、もう少しのところで買うところだった。
危ない、危ない、、、^_^;
さて、そんなことで、ツアーの中にはこの日のヘレンドの工房を訪れるのを楽しみにしている人もいた。
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*ヘレンド:ヴェスプレームから西に約13km、小さな村の一画に世界的な磁器ブランド、ヘレンドの本社がある。見どころはヘレンド・ミニ工場とヘレンド博物館のみだが、それを目当てに世界中から大勢のツーリストが訪れる。(「地球の歩き方」より)
ヘレンドの町には午前9時50分頃入り、その後まもなくヘレンド本社に着いた。
ヘレンドについてはほとんど知らなかったので、ネットで調べてみたらあるサイトにこのようなことが書かれていた。
「1826年に、ハンガリーの首都ブダペストから遠くないヘレンド村に、ショプロン出身のヴィンツェンツ・シュティングル(Vinzenz Stingl, またはシュティングル・ヴィンツェ・フェレンツ Stingl Vince Ferenc)により創業。以前から焼き物の盛んだったこの地帯は、16世紀からマヨルカ陶器の産地としても知られているが、シュティングルの掘っ立て小屋の様な会社はそんな恐れ多いものとはほど遠かった。
ヘレンドの名声を世に知らしめたのは、サルディニアの王が中国から持ち帰った陶磁器の食器セットの内、破損してしまったものの複製をヘレンドへ持ち込んだ事件がきっかけとなったからだ。一年近く実験を繰り返し、フィッシャーは破損した食器の複製に成功した。しかし、心配性の彼は言うなれば「偽物」である自分の作品に自信がなかったので、王に彼自ら作品を見せたいと願い出た。
トリノの城に着いたフィッシャーは、本物の中国製陶磁器をテーブルに並べ、自分の作品は棚にしまった。王や従者たちが部屋に入ると、早速「偽物」の批評が始まり、ここがいけない、あそこが違うと批判した。しかし、フィッシャーが真実を明かすと、一本取られた王は素直に受け入れ、王を騙せるほどの作品を作ったフィッシャーを賞賛した。
この逸話とヘレンドの名が広まるとともに、フィッシャーは新しく自社製品のデザインを次々に世に送り出した。1851年のロンドン万国博覧会ではヴィクトリア女王がウィンザー城のためにヘレンドに注文を入れた。中国風の絵柄に蝶の舞うデザインは一般にも販売され、「クイーン・ヴィクトリア」シリーズとして大変流行した。それからというもの、ヨーロッパ貴族の間でヘレンドの作品はブランドとして広まった。」
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日程表にはヘレンドの「工房」と「博物館」の見学と書かれていたので工場見学をするのだと思っていたが、実際には工場見学ではなく、作製工程を見学者達に見せるくれると言うものだった。
それでもその工程を見たら、正に「手造り」そのもので、ヘレンド磁器が高価なものだと言うことがよくわかった。
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と言うことで、まずはヘレンドの概略の説明を受けると言うことで3D用の眼鏡が配られ、ヘレンドのイメージビデオを見た。
その後は工房に移動して、ヘレンド磁器の作製工程の見学をした。
指先に緊張が走る工程。
細い縄状のものを型に合わせて綺麗に重ねていると思ったら、、、。
それは焼き上がると、こう言った製品になると言うことだった。
縄状のものを重ねるタイミングは、職人さんの勘に頼るのだと言う。
こうして、1個1個、手作業で柄をくり抜く品もあった。
これはバラの花の製作工程。
これくらいのバラだと、8時間に200個ほど作るのだそうだ。
皿の絵付けも1枚1枚手書きだ。
これは、絵付けをする前の下書きの線を手で描いているところ。
複雑な形の模様は下書きが出来ないので、直接絵付けをするのだと言う。
これは、置物に絵付けをしているところ。
その後、博物館でこれまでのヘレンド磁器製品の展示物を見学し、午後0時からは併設のレストランで昼食を摂った。
そのレストランでは、さすがにヘレンドの本社にあるレストランと言うことで、食器は全てヘレンドの製品だった。
最期のデザートまでヘレンドだ。^_^;
ハンガリーに来たのだから、一回くらいは「トカイワイン」を飲んでおこうと思って注文してみた。
これでチップ込みで1,100フォリント。
さすがに高かった、、、
^_^;
でも、甘口ですごく飲みやすく、値段のことを考えなければ、バンバン飲めそうだった。^_^;
結局、その後のショッピングタイムでは、ヘレンドの品物は買わなかった。^_^;
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以下、続く・・・。