まずは「空港駅」に向かう
フィウミチーノ空港から出ている路線には、ローマ中心部にあるテルミニ駅以外の方面に向かう地下鉄もあったが路線数がその他ほとんどないので、テルミニ駅行きのレオナルド・エキスプレスが出ている「空港駅」を探すのは比較的容易なことだった。
成田空港にもあるようなイラスト表示の案内版を目安に歩いて行くと、数分もかからないうちにレオナルド・エクスプレスの空港駅に着くことができた。
フィウミチーノ空港とローマ市内のテルミニ駅をノンストップ31分間で結ぶ「レオナルド・エクスプレス」は30分間隔で走っているので、次の列車が出るまでには最大でも30分の待ち時間と言う状況だった。
チケットを買う
駅に着くとまずはチケットを買わなければならない。
チケットの買い方は事前に調べておいたが、チケット専用の販売所や自動券売機、そして駅の売店でも売っていると言うことだった。
それでチケット専用の販売所や自動券売機が見つからないままプラットホームに入って行くと、駅の売店に入って行く客が多くいたのでそこで売っているんだろうと思ってその店に入って行tった。
すると、そこにいた50代くらいの男性が忙しそうにチケットを販売しいていた。
それで前の人の後ろに並んで待っていると自分の番になったので「テルミニ」と言って指を1本立てると「11ユーロ」と言われた。
手際よくチケットを差し出してくれたので10ユーロ札と5ユーロ札を1枚ずつの15ユーロを支払うと2ユーロコインを2枚、4ユーロのお釣りをくれた。
それで「グラッチェ」と礼を言うと「プレーゴ」と返してくれた。 そんなやりとり一つで、ここが既にイタリアであることを実感した。
チケットを買ったのでこれで一安心。 レオナルド・エクスプレスは既に入線していたので、早速乗り込んで、空いている席に座った。
車内はそれほど混んでいる様子ではなく、2列席を一人で占有してもまだ席は少し空いているくらいだった。
入口ドア付近にはスーツケースを収納するスペースも用意されていた。
隣りの席にはアジア系と思しき、最初見た時は日本人かと思ったくらいの20歳くらいの女性二人組が座っていたが、彼女達の会話が日本語ではないことに気づき、やはりここはローマ、、、インターナショナルだなぁ~、なんて思った^_^;
大切なことを忘れてた、、、ことに気が付いた
午前7時46分、レオナルド・エクスプレスはテルミニ駅に向けて動き出した。
空港を出ると辺りにはのんびりとした田園風景が広がっていた。
このまま30分乗っていれば次に止まった駅がテルミニ駅だ。
そう思いながら車窓の景色を眺めていると、時々後ろの車両から移動してくる乗客の姿があったので何となくそんな人達を見ていたら、ふとあることに気が付いた。
それは、駅で買ったチケットに打刻をするのを忘れていた、と言うことだった。
イタリアの鉄道は、駅舎に改札と言うものがなく、外からはフリーでプラットホームまで入れるし、その気になればチケットを買わなくてもそのまま列車に乗れてしまう。
もちろん、下車した駅にも改札はないので、そのままフリーで出ることができるが、そんな無賃乗車をしていて車掌の検察で見つかったら運賃の数倍もの罰金を請求されることがあると言う。
なのでちゃんとチケットを買って乗らなければならないのだが、その際、駅に設置されている日付を打刻する機械に自分でチケットを挿入して、打刻をしなければならないのだ。
例えちゃんとチケットを買って乗っていても、検察にあった時に打刻をしてないと不正乗車と看做されると言う。
実はこの列車に乗る際に、その打刻をすることを忘れていたのだ。
日本の鉄道に乗る時と同じ感覚で、チケットを買った段階ですっかり安心してしまっていた。
それで、後ろの連結部分のところから人がこの車両に入って来る度に、車掌じゃないか?と心配するようになってしまった。
(参ったなぁ~、、、このまま、車掌が来なければいいんだけど・・・)
不正乗車をしている訳ではなかったが、気が気でなかった。
「エキスプレス:急行」なのに停車した
8時12分、ROME TRASTEVERE(トラステヴェーレ駅)を通過すると、辺りの景色が急にローマの街らしくなって来た。
時間的にも、ぼりぼちテルミニ駅に着く頃だろうな、と思っていると、そのすぐ先ROME OTIENSEと言う駅を過ぎたところで列車は停車した。
(一体どうしたんだろう・・・?)と思っていると、なかなか動き出さない。 早く動いて欲しかったが、その場で20分ほど停車して、午前8時33分に漸く動き出した。
結局車掌は回って来ないまま、その後8時42分にテルミニ駅に到着した。
空港とテルミニ駅の間を31分で結ぶと言われているレオナルド・エクスプレスも、結局56分掛ったと言うことだ。
列車を降りると長いプラットホームを大勢の乗客がスーツケースを引いて出口に向かっていた。
そんな人の流れの中に交じって取り敢えず出口の方に向って歩いて行った。
街に繰り出す前に・・・
ところで、、、
テルミニ駅を出る前にトイレで用を済ませておこうと思ってトイレを探した。
ローマ市内の散策に出ると、トイレを探すのに時間を割くのはもったいないと思ったからだ。
また、どこにトイレがあるかもよくわかっていなかった。
ただひとつ、共和国広場近くにある三越に行けば、トイレを無料で使うことができることはわかっていたので、最悪の場合三越を利用するとして、その他にトイレを使わずに済むよう、テルミニ駅で用を足しておこうと思った訳だ。
そこで、駅舎を出る前に案内表示に従って暫く歩いたところでトイレを見つけることができた。
しかしトイレは有料で、0.8ユーロの表示がされていた。
(あ~、これなら、フィウミチーノ空港で入ってくればよかったかなぁ~?)と後悔したが、後の祭りである。
まぁ、0,8ユーロ、即ち80セント(=約100円/当時のレートで)だから、そう悔やむことでもないのであるが、、、
それでそこは自動の入口になっていて、0.8ユーロを入れるとバーが動いて中に入れるようになっていた。
小銭で0.8ユーロはなかったので、50セントコイン1枚と20セントコイン2枚、併せて0.9ユーロを入れるとバーが稼働して中に入ることが出来た。
しかし、お釣りは出て来なかった。 10セントのことだが、こう言うものなんだろう、、、か?
いざ、出陣!
ま、しかしトイレで用を足すことができて一安心。
その後テルミニ駅を出ると、時刻は9時を回っていた。
目の前に見える景色は、もうそこがローマだと言うことが一目瞭然の景色だった。
ヨーロッパ風の建物、PIZZAの看板が架かる店、通りを走って行くバス、洒落た制服を着た警察官・・・。
それらを見ただけでももう心は躍っていた。
と言うことで、、、
よぉ~し!
いざ、出陣だぁ~~!ヽ(^o^)丿