プラハに向かう
プラハまでは約140kmあったが、自動車専用道は使わずに一般道を走って行った。
途中、プラハまであと50kmくらいのところまで来た時に、もの凄い勢いで雨が降って来た。
が、その後プラハの町に入る頃にはそんな雨も何とか上がっていた。
プラハ最古のビアホール
午後8時、プラハの町に到着すると、バスを降りてから10分ほど歩いて、この日の夕食を摂るレストランに向かった。
旅の行程としてはまだ明日一日あったが、実は、全員で夕食を摂るのはこの日の晩が最後だった。
と言うのは、明日は午後からはフリータイムとなり、夕食は各自で摂る予定になっていたのだ。
即ち、今夜が旅の「最後の晩餐」と言うことになっていたのだ。
と言うことで?
夕食は、本場ボヘミアの伝統あるビアホールでの夕食となった。
そのビアホールは、「ウ・フレクー」と言う名前の、創業が1499年のプラハで最古のビアホールだった。
そんな店の入口のところに掛っていた大きな時計には、チェコ文字で数字が書かれていて、チェコのビアホール、と言う雰囲気を盛り上げていた。
奥に広くなっている店内に入ると、ずずっと奥の壁際に長く伸びている席に通された。
かつては修道院だったと言うこの店の店内は、それらしい雰囲気が漂っていた。
まずは、黒ビール
この店での食事にはビールが1杯付くことになっていたので、希望者にはビールを、そしてアルコールがダメな人には代わりにソフトドリンクを注文すると言うことで添乗員のHさんが注文をとりに来た。
もっちろん!、ビールを注文したが、ビールが出てくる前に先に、前菜のサラダが出て来た。
せっかくの最後の晩餐なので、まずは皆さんで乾杯!と言う雰囲気だったので、サラダには手をつけずにビールが出てくるのを待っていた。
そうこうしているとビールが入ったジョッキが運ばれて来たが、ここで注文したのは特製の黒ビールだったのだ。
む~~!、いかにも、美味そう!!(^.^)
と言うことで、早速乾杯をした。
楽団?、がやって来た
そうこうして、盛り上がり始めると、今まで隣のホールで演奏していた2人の楽団員が、我らのテーブルの方にやって来た。
そして早速すぐ近くで演奏を始めたが、
こう言う時は、大体が「上を向いて歩こう」や「さくら」だが、ここでもそうだった。
そして、お決まりのように「リクエスト」と声を掛けて来たが、誰もリクエストをしなかった。
こう言うことに慣れてないのか、慣れ過ぎているのか? または、リクエストをする曲を知らないのか???
すると、アコーデオンを演奏している人が、スメタナの「我が祖国」の演奏を始めた。
やはり、チェコで「我が祖国」を聞けば、それなりに盛り上がるようだった。^_^;
隣の客は?
黒ビールを飲みながら、メインディッシュを食べていると、隣りの空いているテーブルに、どやどやと20人くらいの団体が入って来た。
その盛り上がっている様子からどこかの国の観光客のようだった。
そして彼らが席に着くと、それまで我らの近くであまり商売にならないながらも演奏を続けていたあの楽団が、早速隣りのテーブルに移りその団体のお国の曲?の演奏を始めたようだった。
が、その曲を聞いていても、一体どこの国の人達なんだかわからなかった。
同じツアーの人達も、背中を向けて座っていた人は振り返ったりしながら見ていたが、「どこの国の人なんだろう?」とあれこれ想像してみたが、なかなかわからなかった。
しかし、見た感じはスラブ系の人では無さそうだし、ゲルマン系にも見えなかった。
目鼻立ちがぼっこりしている感じで、色黒の人もいた。 それに、結構陽気で、まだ来たばかりなのに結構盛り上がっていた。
そんな感じから、誰かが「トルコ人じゃない?」と小声で言うと、「そうかもしれない・・・」と言う話になった。
それで、係りの男性がデザートを運んで来た時に尋ねてみたところ「スペイン人」だと答えた。
「え? スペイン人!?」 「そう言われればそれっぽい」 「あ~、スペイン人を忘れていた・・・」などと言う声が聞こえて来た。
レストランを出ると・・・
食事を終えて店の外に出ると、さすがに外は暗くなっていた。
レストランの前の道はプラハ市内のそれほど広くない道で、バスが待つところまでまた10分くらい歩かなければならなかった。
そんな時、これと同じような状況が、以前イタリアのフィレンチェ?だったか、そこで夕食を摂った時にあったのを思い出した。
それは、その時も夕食を終えてレストランを出てからバスが待機する場所まで歩いていたが、その時同じツアーの女性が、後ろからやって来たバイクにバッグをひったくられてしまったのだ。
一日の行程が終わり、夕食を摂ってほっとしたそんな時だった。
そのことを思い出して、レストランから出ると、何気なく「こう言う時が危ないんですよぉ~」と周りにいる人にさりげなく声を掛けると、少し後ろにいた添乗員のHさんが、「皆さん、気を付けてください、、、後ろにジプシーみないな人が2人いて、レストランを出てから後を付けて来ているようです。 荷物に注意してください。」と皆さんに声を掛けた。
Hさんのその言葉に後ろの方を歩いていた人達が反応して、バッグをしっかりと抱えるようにして前を歩く人に追い付くように早足でやって来た。
角を曲がったその先でHさんが「もう大丈夫みたいですね。 私達の様子に気が付いたようで、姿が見えなくなりました。 もしかしたら関係なかったかもしれませんが、用心するのに越したことはないですからね・・・」と言った。
そんなことがきっかけになって、バスに着くまでに、今までに旅の中で遭遇した皆さんの「被害」などが何人かの口から出ていた。
そんな被害の体験談を聞いていると、結構皆さん、これまでにいろいろと被害に遭ってるんだなぁ~、、、と思ってしまった。
(まぁ、他人事ではないのでありますが、、、^_^; )
その後、チェコにやって来て最初に泊まったクラウンプラザホテルに着いたのは、午後10時を回った頃だった。
再びプラハに戻って来たぁ~~、と言う感じだった。