昼食を終えて出発すると、その後は首都エレバンの方に向かってバスは走って行った。
途中で写真ストップ
途中30分ほど走ったところで、景色がいい場所があり、そこでバスは写真ストップと言うことで止まった。
そこから右手に見えるのが首都エレバンで、その向こう、正面にそびえている山が、アルメニア最高峰のアラガット山と言うことだった。
この時期雪に覆われていると言うことは、さすがに高い山なんだ、と改めてここがコーカサスの地であることを思い出した。
ゲハルトの洞窟修道院に到着
その後、途中でもう一カ所写真ストップをとってから、午後3時55分を過ぎた頃に、「ゲハルトの洞窟修道院」前に到着した。
*ゲハルトの洞窟修道院
「ゲハルト」とは「槍」のことで、キリストの脇腹を刺した槍を、かつてはここで預かっていたためにこの修道院はそのように呼ばれていると言う。
元々は4世紀に建てられたが、13世紀に再建されたと言うことで、2000年に「ゲハルト修道院とアザート川上流域」として、世界遺産に登録されている。
この修道院は、敢えて町や村から離れたところに建てた、修道士のための修道院と言うことで、周囲は山で囲まれていた。
そして、一番偉い人は洞窟の中に住んでいたと言う。
いわゆる「洞窟教会」の部分は半分は石で、もう半分は岩で造られている2階建ての構造(奥の部分は岩でくり抜かれていて、前の部分は石を積み上げて造った)で、それがこの修道院の特徴になっていると言うことだった。
駐車場から歩いて登る
駐車場でバスを降りると、そこからは急な坂道を歩いて修道院の建っているところまでそれほど長い距離ではなかったが登らなければならなかった。
回りには、他の国の観光客の姿もそこそこあった。
それで、広い道幅の坂を登って行くと、途中でヘアピンのようなUの字になっている折り返しのようなところがあったが、その近くの草むらの中から白色系の中年くらいの女性が2人、突然歩いて出て来た。
そちらを見ると、特に何もなく、少々背が高い草むらになっていた。
(あれ?)とは思ったが、、、
そう言えば、添乗員のIさんからは「ここではトイレはありませんので次のところまで我慢してください・・・」と言われていたような、、、?
と考えたら、もしかしたら、その2人は、「青空~」、だったのか?、、、と思ってしまった。^_^;
そんな人達を見てちょっとびっくりしながら歩いていると、大きな門を潜った先が広場になっていて、その左手に教会が建っていた。
メインの教会に入る
この修道院は、その教会を中心にいくつかの洞窟を掘ってそこをいろいろな施設や部屋として使っていた。
そして、まずは中心に建っていた教会に入って行った。
この教会も、一昨日、そして午前中に訪れた教会と同じように「前室」があった。
その床の上には直径数10cmの円形の中心に穴が開いていたが、それはそこに火を点ける穴だと言うことだった。
奥の礼拝室に入ると、その正面には祭壇があって、そこにはカーテンが見えていたので、この教会も現役のものだと言うことがわかった。
教会の内部では、現代的な照明器具は使われてなく、祭壇の前のロウソクの明かりと天井や壁にある小さな窓から入って来る太陽の光だけが教会の中を照らしていた。
そんな時、単なる観光客ではなかったんだろう、、、祭壇のところで実際に教会の人にお祈りを受けている女性がいた。
その様子は厳かで、神秘的に見えた。
そのため、いくら写真撮影がOKだと言われていても、暗いからと言ってフラッシュ撮影などする気にもならなかった。
洞窟教会に入る
その教会を出た後は近くにあった洞窟教会の中に入った。
その教会は、ほとんどが岩の中にあった。
1階は前室や礼拝所になっていたが、その時、どこで歌っているんだろう?、、、讃美歌が聞こえて来た。
それで、あれはホントの讃美歌なんだろうか?などと思いながら2階に上ると、その前室には20数人くらいの人が扇形になって集まっていた。
生・讃美歌
その人達の視線の先には4人の人が立っていて、アカペラで讃美歌を歌っていたのだ。
その歌声は洞窟の中に響いて、その歌を聞いていると、素直に神妙な気持ちになった。
それで、その4人が歌う讃美歌をその場で暫く聞くことにした。
その4人が歌う讃美歌は、次から次へと続いていたが、我々は3~4曲聞いたところで、イヤホンの中から添乗員のIさんの「よろしいでしょうか?、、、出ましょう~」と押し殺したような声が聞こえて来たので、もう少し聞いていたかったが、その部屋を出ることにした。
それにしても、こう言う世界遺産の教会の中で、現役の教会とは言えこうやって讃美歌を実際に聞くことが出来るなんて、恐らく初めての経験だったかもしれない。
シリアのアレッポ城だったかサラディーン城だったかの中で少年がコーランを歌っていたり、エジプトのモスクの中でガイドさんがコーランを暗誦したのは聞いたことはあるが、讃美歌は初めてだったかもしれない。
それで後から聞いたところによると、そこで讃美歌を歌っていた人達は、そこにいたユダヤ人のグループのリクエストがあって、そこで歌っていたと言うことだった。
と言うことで、お金を出していない我々日本人のグループは、何と言うか「タダ乗り」してしまった形になっていたようだった、、、^_^;
ユダヤ人のグループの皆さん、、、ありがとう、、、m(__)m
修道院裏に周ってみる
外に出ると、その他にも中には入れないが同じような建物、施設があるので、それは各自で見学して下さいと言うことで、フリータイムとなった。
それで、修道院の外、奥、と言うか裏、の方を周ってみようと思って行ってみると、そこには急な流れの川があった。
これが修道院と併せて世界遺産に登録されている「アザート川」なんだろうか?
それにしても、見事な流れだった。
修道院の外壁の内側にいたのでは気が付かなかっただろう。
駐車場の土産物店
フリータイムを終えて駐車場に戻ると、そこには土産物店が何軒も並んでいた。
そこでどんなものを売っていたのか詳しくはわからなかったが、パンや肉の燻製品、またはドライフルーツのようなものが売っていたように見えた。
しかし、強い日差しから守るためか、そのほとんどのものに白い布が掛けられていて、何を売っているのか見ようにも、ほとんどわからなかった、、、。
・・・
以下、続く・・・。