クルクモッラーの丘
スルタン・テケシュ廟を見学した後は、「クルクモッラーの丘」に登った。
その丘の手前には、木の棒に布切れを巻いたものが2本差してあった。
それは、地元の人が願掛けをしたものと言うことだった。
ちょっときつい感じの坂を登り切ると、上は平になっていた。
そこには昔は図書館が建っていたと言うことだった。
我々の目を惹いたのは、薄い平な石を何枚も重ねて塔のようにしてあるものがいくつもある光景だった。
それは日本の山、登山で登るような山の頂上に置かれているものに似ているように見えた。
そしてそれとは別に、明らかに人工的な、加工を加えたものが集められてあるところもあった。
それは、見ると、小さなゆりかごやベッド、ハンモックなどの形をしていて、丘の下で見た願掛けにしてあったのと同じように、布切れが巻かれてあったりした。
これらのものは、丈夫な子供が生まれるようにと願ってここに置かれていると言うことだった。
また、その近くにはお墓もあったが、それには短いハシゴが掛かっていた。
それは、天国に行くハシゴと言うことだった。
お墓があり、願掛けのものがありで、この辺りはもしかすると、パワースポットになっているのかもしれない。
イル・アルスラン廟
クルクモッラーの丘を降りると、次には「イル・アルスラン廟」に向かった。
イル・アルスランとは、息子であるスルタン・テケシュと共にクフナ・ウルゲンチの第一次最盛期を支えた偉大な王で、1156~1172年に在位したと言う。
また、イル・アルスランはその偉大さからライオンと呼ばれていたと言う。
廟はそれほど大きくなく、四角い本体の上に角錐形の屋根が載っていた。
その屋根は、その頃ではまだ技術的な難しさがあって円錐形に造れなかったので、角錐形に造られたと言うことだった。
そしてその屋根には青いタイルが施されていて、それがイスラムのものであることを感じさせていた。
廟全体は少し傾いているが、それは地震でそうなったと言うことだった。
キャラバンサライ跡
そこから暑い中を10数分歩いてキャラバンサライ跡に向かったが、途中で枯れた川の跡を越えた。
そこは、昔はアムダリア川が流れていた跡で、その川の流れが変わったためにクフナ・ウルゲンチが寂れて行ったと言う。
そのアムダリア川は、アラル海に流れ込んでいるが、アラル海は今でも小さくなりつつあると言うのは有名な話だ。
川の流れが変わるだけで、これだけ大きな都市が消えてなくなると言うのは驚きだが、それだけ都市が生きて行くためには水が必要だと言うことなんだろう。
そう言えば、ローマ帝国の都市の多くには水道橋が架けれられていて、遠い水源地から水を引いて来ていたが、それもそう言うことなんだろう。
キャラバンサライ跡に着くと、そこには大きな門のような建物が建っていた。
それはキャラバンサライの入口で、それだけが残っていた。
それも、かなり修復された跡があった。
この入口の様子からすると、かなり大規模なキャラバンサライだったように思われた。
空港へ、そしてアシガバットへ
クフナ・ウルゲンチの観光を終えると、そこからはタシャウズの町に戻り、昼食を摂ったレストランでトイレを借りた。
その後空港まではすぐだった。
空港に着くと、まずは荷物のセキュリティチェックを受け、次に搭乗手続きに移ったが、そこには係員と思われる女性がいて、その女性に航空券とパスポートを手渡した。
この時、妙な(パスポートを手放してしまって大丈夫だろうか?)と言う不安が湧き起こった。
まぁ、冷静に考えれば手続きなんだから当たり前のことだが、その場の雰囲気と言うか、普通の空港の感じではなかったのだ。
普通は窓口と言うか、ブースの中にいる係官にパスポートを提示して、となるところを、そんなブースもなく、普通にそこにいる係官にパスポートと搭乗券を手渡したのだ。 しかも皆まとめて・・・(*_*)
ま、その後、すぐに無事にパスポートと搭乗券は返って来たが、、、。^_^;
その後搭乗前に、一人一人の名前?を係員が一覧表に手書きで書き入れると言う作業があった。
何たるアナログ的な作業!
このような手続きを受けたのは初めてだった。
そんな手続きのひとつひとつが、「普通の国」の手続きとは違っていたので、正直戸惑ってしまった。^_^;
そして、午後5時半から搭乗が始まって、その後空路トルクメニスタンの首都アシガバットまでは、あっと言う間の1時間のフライトだった。
着陸前に窓の下を見ると、そこにはアシガバットの町が見えたが、街灯なのかビルの明かりなのか、町全体が妙な明るさに輝いていた。
アシガバット
国内便と言うこともあってか、着陸してから空港の外に出るまでには15分ほどしか掛からなかった。
空港の外に出ると、それからトルクメニスタンを出るまで通しのガイドをしてくれた「メルゲンさん」が待っていてくれた。
そして空港で乗り込んだバスは大型のバスだったので一同大喜びだった。
その頃時刻は午後9時を回っていたので、バスはそのままアシガバットの町の中を走って、夕食を摂るレストランへと向かった。
バスが町の中に入ると、バスの車内から見る町の景色は何とも不思議な感じがした。
それは他の皆さんも同じだったようで、大きなビルが近付いて来る度に「わぁ~」と言う歓声にも近い声が聞こえて来た。
何でそんなに不思議な感じがしたかと言うと、町の景色が、何と言うか、SF的と言うか、近未来的と言うか、、、
例えて言うなら映画の中の世界、、、それはまるでセットで造ったような感じに思えたのだ。
よく見ると、大きなビル、、、それらは官庁とか銀行とかそう言ったビルだったが、その他のマンションやアパートまで、それらの一棟一棟がライトアップされていて、夜の闇の中に浮かび上がっていたのだ。
しかも、それらのビルの外壁は皆白かったのだ。
それは、アシガバットの町のビルの外壁は白大理石で統一されているからだと言うことだった。
夕食
そうして何とも不思議な思いをしている中、バスは食事を摂るレストランが入るビルの前で止まった。
バスを降りて目の前に建っているビルの中に入ると、ビルの中は薄暗く、、、何と!
ガイドのメルゲンさんの後について行くと、何と、階段を登り始めたのだ。
と言うことで、階段で3階まで上がった、、、。
そこで入ったレストランには、客は我々だけしかいなかった。
料理は概ね美味しかったが、今まで食べて来た料理と同じようなものだった。
そして別注文でビールを頼んだが、1本3ドルだった。 むぅ~~、まぁまぁかな。^_^;
[#IMAGE|b0082147_21502523.jpg|201107/24/47/|right|800|600#そして、]同じテーブルで食事をした千葉のSさんは、白ワインを飲みたがっていたが白ワインはないと言うことだったので、やむなく赤ワインを注文した。
トルクメニスタンのワインは「世界で一番美味しくないワイン」として有名らしかたので、興味はあった。
それで赤のグラスワインを飲んだSさんに「どうですか?」と聞いてみると、どうにも?と言うような顔をしていた。
そして、そのグラスをこちらに差し出して「飲んでみる?」と言うので、一口味わさせてもらった。
すると、、、
何とも言いようのない、、、「これがワイン?」と言うような味だった。
そんなことで、この後お金を出して飲もうとは思わなかった。^_^;
食事を終えて、再び階段を降りて行く途中、その階段のところの壁を手で触ってみると、確かに大理石風だった。
そして外に出て外壁を触ってみると大理石風だったが、試しに手で叩いてみると、中がないような空洞のような音がした。
そんな様子から、どうも、白大理石が貼ってあると言っていたが、その通り表面だけ白大理石になっているようだった。
正に、、、はりぼての大理石の建物、、、そんな印象を受けた。
その後、午後10時50分の頃、バスはアシガバットの「アク・アルティン」ホテルに到着した。
・・・
以下、続く・・・。