由良町の島岡酒造の先左手には、「威光寺」が建っていたが、門前には「新田義興御菩提寺」と彫られた石柱が建っていた。
新田義興は、鎌倉幕府倒幕やその後の南北朝時代に活躍し、その後足利尊氏によって打たれた新田義貞の次男で、そう言えば、、、
木崎宿の交差点のところに表示されていた「新田木崎町」の「新田」は、「しんでん」と読むものだとばかり思っていたが、新田義貞の「にった」だったのか!?
江戸時代のあちこちで行われた新田開発によって、「◎◎新田(しんでん)」と名付けられた地名が各地に残っているのを見かけるので、そうだとばかり思っていたのは迂闊だった。
そんなことで威光寺の門前には、「新田義貞公ゆかりの地 太平記の里」と書かれた案内板が建っていた。
それによると、この辺りには新田氏所縁の寺や遺跡が示されていた。
そして、この威光寺の本堂の北西のところにある宝篋印塔は、新田義興の墓と言われていると言うので、せっかくなので見に行った。
・・・
ところで、、、
この日の帰りは、東武伊勢崎線の福居駅から久喜駅まで行って、そこでJR久喜駅に乗り換えるルートではなく、東武伊勢崎線福居駅から足利市駅まで2つ戻って、そこから渡良瀬川を越えてJR足利駅まで少し歩いてそこからJR両毛線に乗り小山駅で湘南新宿ラインに乗ると言うルートをとった。
と言うのも、JRの青春18きっぷを利用していたために、最大限JRをメインに乗ろうと考えていたからだ。
それで、結果として足利の町を少し歩くことになったが、その足利と言えば、室町幕府を開いた足利尊氏所縁の町だ。
そこでふと気が付いた。
それは、、、
新田氏所縁の威光寺が建っていた由良町と足利の町は、直線距離でわずかに10kmほどしか離れていなかったのだ。
当初は共に立ち上がって鎌倉幕府を倒した新田義貞と足利尊氏の出身地が、現在の行政上では群馬県(新田~、由良)と栃木県(足利市)に分かれているが、実際は目と鼻の先の位置関係にあったとは、ちょっと意外だった。
やはり、教科書の上、と言うか、学校で学んだだけではなかなかその辺りの実態はわからないと言うことなんだろう。
時間的な制約があり、実際の学校教育の際に現地を歩くなんてことは現実的には難しいことだろうが、それでも実際に自分の身体で確認してみると、教科書を何度も読むよりも深くより正しく歴史とか地理とかの社会科的なことは理解できるのではないかとも思う。
そう言う意味で、よく社会科系の科目は暗記科目と思っている人が多いようだが、決して暗記科目ではないはずだ。
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威光寺を出た後県道312号線をそのまま真っすぐ1kmほど進んで右手に宝泉東小学校を見る頃、その辺りは町らしい景色になっていた。
そして蛇川に架かる小さな聖橋を渡ると、その先県道2号線と合流し、その先には頭上を東武桐生線の高架が通っていた。
そこから500mほど進むと八瀬川を渡り、その辺りから「太田宿」となっていて、江戸時代にはその辺りに木戸があったと言う。
ちょうど八瀬川を渡ったところに小さな休憩スペースが出来ていて、公衆トイレも建っていたので、そこで小休止をとった。
このような施設は、街道歩きをしているとホントにありがたいと思う。^_^;
太田宿は、木崎宿にも増して宿場の面影は残っていない町だった。
まぁ、それは仕方がないこと。
現在の太田の町は、東武線の桐生線と伊勢崎線のターミナル駅があって、境町や新田木崎町に比べればかなり賑やかな町だった。
昔の宿場に入って県道2号線になっている例幣使街道をそのまま東に向かって進んで行くと、左手に太田市の「太田行政センター」が建っていて、その敷地の一角に「本陣跡」の石碑が建っていた。
そしてその裏手には「本陣市営住宅」が建っていて、そこに本陣があったことを示す名前が残っていた。
その先右手の太田駅前を過ぎるとその先左手には自動車会社の「スバル」の販売店があったかと思うと、斜め前方にはビルの上のところに「スバル」の大きな看板が顔を覗かせていた。
(やけにスバルと言う名前を見かけるなぁ~)と思って歩いて行くと、左手には大きな工場の入口のような施設が見えて来て、そこには「富士重工群馬製作所本社工場」と書かれてあった。
なるほど、、、それでスバルが多いのか、、、と思って改めて地図を見ると、何とその工場がある一角だけ「スバル町」と言う表示になっていた。
へぇ~~、ひとつの会社の敷地がそっくりその会社の商品のブランド名=町名となってる訳か、、、
と言うことは、余程太田市にとって、この会社の存在が大きいと言うことなんだろう。
そう思って、この会社の正門の向かいに差し掛かると、何と!!
目の前に「スバル最中」と言う看板が掛かっているではないか!?
ま、まさか、ここで言う「スバル」って、あの富士重工のスバルのことかぁ~?
そう思って、恐る恐るその伊勢屋と言う店の中に入ると、、、
思ってた通りの、あのスバルのことだった。
まぁ、それでせっかくなので、スバル最中とスバル360(サブロク)焼(小麦粉に練乳、砂糖、バターで作った生地に白あんを入れた”洋風和菓子”)、それとスバルのデザインになっているスバル煎餅(瓦煎餅)を買った。
それで、店の女性に念のために聞いてみたが、これらの商品はこの伊勢屋さんのオリジナル品で、ここでしか売っていないと言うことだった。
さて、時刻はその頃午後1時を回っていた。
この辺りで昼食を摂っておかないとこの先にはなさそうだったので、どこか食事が出来そうな店がないものか、と探しながら歩いていたら、ちょうど富士重工の正門向かいで、伊勢屋の先にインド料理のカレーの店があったので、そこで昼食を摂った。
旧街道を歩いているので、せっかくなら地元の名物料理でも、、、と思ってはいたが、まぁしょうがない。
それにしても、旧街道を歩いていて、インドカレーを食べたなんてことは初めてだった。^_^;
しかもその店の人がインド人風の人だったが、日本語がかなりたどたどしくて、メニューに書かれてある内容を確認しようと思って尋ねても、見当外れの答えを何度もしていた。
で、「2種類のカレーが選べるランチセット」にしようと思って、その2種類と言うのがどのようなものがあるのか尋ねても、「ベジタブル」とか「チキン」とか「日替わり・・・」とか言うだけで(それはメニューにも書かれてあったのでわかったのだが、)どう言う選び方をしていいのか確認しているうちに、「OK」と言う感じでさっとメニューを取って厨房に行ってしまった。
それで結局出て来たカレーは、どうやら「ベジタブル」と「チキン」のカレーだった・・・。^_^;
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以下、続く。
*帰りのJR湘南新宿ラインの車内で食べてしまった「スバル最中」、、、^_^;