③新七合目:御来光山荘 → 元祖七合目:山口山荘(230m:予想タイム50分)
8時50分に到着
肺がもっと働いてくれたらいいのに、、、と思いながら息が切れそうになるのを何とか我慢して登って、漸く、元祖七合目の山口山荘の到着した。
しかし、山荘前は狭く、登り降りの登山者達でいっぱいになっていたので、そこで休むことはできず、そこから更に少しだけ上がった山小屋の裏の、登山道から外れたロープの外で休憩することにした。
なので、そこは岩の上。
それでも、何とか少しでも平らな場所を見つけて腰を下ろすことが出来た。
六合目から新七合目までの1時間もきつかったが、その後のこの区間が登っていて一番きつかった。
酸素が薄くなっていたんだろうとは承知していたが、登るにつれて息が上がってしまい、ヒーフーヒーフー言う自分の呼吸の音が、回りで登っている人達に聞こえているんじゃないか、と思うほど大きかったと自覚していた。
いやぁ~~、苦しかったぁ~。
登山道もこの辺りになると足元には火山礫がゴロゴロしていて所々には大き目の岩が転がっていた。
火山礫に足を載せれば足元がずずっと沈み込む感じで今一歩きにくく、少し大き目の岩に足を載せれば安定している岩なら問題ないが、時にはその岩がぐらっと動くので危ないこともあった。
また、その頃は足の腿の筋肉がかなりへばって来ていて、踏ん張りが効かなくなりつつあった。
なので、登りが急な場所では、金属の棒で板を支えてそこに階段のような足場を設けてあったが、その一段の段差を越えるために足を上げるのも厳しい状況だった。
そんな苦しい思いをしながら登っている脇を、後ろから体力があるんだろう、、、我々を追い越して行く若い男性達が何人もいた。
と言っても、道幅は狭く上からも下山して来る人達もいたので、登山道として張ってあるロープの外側の岩場を歩いて追い越して行ったり、下山している人達とすれ違うために踊り場状のところで待機している時に、そのタイミングを見計らって追い越して行ったりした。
我々のリーダーのKさんは、「オーバーペースにならないように、今のペースで行きます」と声を掛けてくれたので、後ろから何度も追い越されても、焦ることなく登ることが出来た。
何度か山小屋で休憩している時も、富士宮ルートの標準モデル時間とほとんど同じペースで登っているので、このまま行きましょう~とKリーダーに声を掛けてもらったのは心強かった。
そして、この頃我々の中でも疲れと言うか、高山病とまでは行かないにしても、今一具合が悪くなりつつある人が何人かで始めたので、そう言った人は先頭のリーダーの後ろを歩いた方がいい、と言うことで、休憩後は何度か歩く順番を入れ替えて登ることになった。
実は、この頃、メンバーの何人かに、「大丈夫?」とか、声を掛けられていた。
それくらい、メンバーから見て、恐らく「大丈夫ではない」状態だったんだろう。
④元祖七合目:山口山荘 → 八合目:池田館(240m:予想タイム40分)
10時に到着
案の定、、、と言うか、この辺りになると、狭い登山道のロープの外で横になって休んでいる人達が増えていた。
恐らくオーバーペースで登っていた人達だろう。
ただ目をつぶって休んでいるように見える人もいたが、明らかに具合が悪そうにしている人もいた。
我々は13人のグループだったが、事前に富士登山に関するサイトをいくつか参考に見たところ、初心者が登る際は、人数が多くなればなるほど高山病などで具合が悪くなる人が多くなり、頂上まで登りきれない人が出て来る、と書かれてあった。 そうなると、その人達だけで下山させる訳にはいかないので、それなりに専門家を同行させて下山させることになると言う。 なので、そうなると残った人達で登るか、全員で下山するか、と言うことになるらしかった。
それだけ、高山病には要注意だった。
そのために、前日は夜9時前には消灯して寝ることにしていたし、皆さんそれぞれ事前の対策と準備は怠らなかったようで、、、?、、、何とかその時点では、高山病に罹っている人はいないようだった。
⑤八合目:池田館 → 九合目:万年雪山荘(210m:予想タイム30分)
10時55分に到着
この山荘に着く手前で、「山荘まで300m」と言うような表示が出ていたが、その300mがきつかった。
普通の道なら300mなんて、なんてことはない距離だが、荷物を背負っての登り坂。
その300mがとんでもない長い道程だった。
そして、山荘の名前が「万年雪山荘」とついているように、この辺りには万年雪が残っていた。
それくらい気温が低いところだったんだろう。
が、登っていると暑い、、、汗をかき続けていた。
が、山荘に着いて休憩に入ると、頬をなでる風の温度は低かった。 が、それが心地いいくらいだった。
しかし、それでもその場で10分、15分と座ったままでいると、徐々に身体が冷えて来るようだった。
が、不思議な物で、少しでもじっとしていると、着ている服の上から紫外線が繊維の間を通って身体を射しているように、肌がピリピリとしていた。
実際、帰りの新幹線の車内で、自分の手を見ると、軍手をはめていたところが、見事に赤く腫れていた。
まぁ、軍手は繊維の目が粗いので紫外線は通すと思っていたが、他の身体の部分はどうだったんだろう?
さて、ここまでは「一合」ごとに山小屋が設置されていたが、この後は、更に小刻みになり、次の山小屋は「九合五勺」と言うことになっていた。
それだけ傾斜がきつくなるんだろう。
⑥九合目:万年雪山荘 → 九合五勺:胸突山荘(150m:予想タイム30分)
11時40分に到着
ここまで来ると、もうすぐそこに頂上が見えていた。
すぐそこに見えているんだから、もうひと頑張りだ、と思っても、それがきつかった。
しかし、新七合目辺りでいっぱいいっぱいになっていた呼吸の荒さも、荒いには荒い状態だったが、苦しさは今一緩和して来たようだった。
それは、S大学ワンダーフォーゲル部の部長のYさんが心配してくれて呼吸の仕方を教えてくれこともあって、意識して呼吸をするようにしたからかもしれない。
それと、もしかすると、空気が薄い状況に少し慣れて来たと言うこともあったのかもしれない。
それと、、、
登山開始の時には、リュックの中に約2リットル分のドリンクが入っていたのが、途中でどんどんと消費して、この頃になると2/3はなくなっていた。
多少とは言え、その分の重量が軽くなって、身体への負担も少しは軽くなっていたのかもしれない。
富士登山関係のサイトには、飲料水は登り降りで最低でも3リットルは必要で、そのうち何リットル持って行って、途中の山小屋で何リットル補給するかは各自の判断で、、、と言うようなことが書かれてあった。
山小屋では500ミリリットル入りの飲料水が売っていたようで、どこでも1本500円だったようだ。
下からそこまで持ち上げて来る訳だから、下界で売っているよりも高いのは承知だったが、今回は山小屋で買わずに済んだ。
ちなみに、山小屋でトイレを使用するのにも有料で、一回300円のようだった。
ようだった、、、と言うのは、自分の場合、出発地点の五合目のレストハウスでトイレを使ってから下山するまで一度も途中でトイレに行かなかったのだ。
即ち、飲んだ分はほとんで全部、汗で身体から出てしまっていたらしい。
それくらい、激しい運動量だった、と言うことなんだろうか。
⑦九合五勺:胸突山荘 → 奥宮:富士山本宮浅間大社奥宮(130m:予想タイム30分)
12時35分に到着
この最後の標高130m分が一番苦しかった。
恐らく、傾斜も厳しかったのではないだろうか?
腿の筋肉がダレダレになってしまい、足が上がらなくなっていた。
すぐ眼の上には、、、手の届きそうなところに、鳥居が見えて来たと言うのに、そこまでの長かったこと・・・。
また、もうすぐ頂上と言うのに、その辺りでは更にへばって休んでいる人が多かった。
誰もが厳しかったんだろう。
我々のグループも、もうこの辺りになると、集団が途中で分断されていていた。
そして、漸く、、、
奥宮の鳥居を潜ることが出来た。ヽ(^o^)丿
そして山頂へ。
いやはや、、、
お疲れさまでした。
そして、そこでは後から上がって来る人達と、ハイタッチやら握手やらガッツポーズをし合いながら、お互いの登山成功を祝った。(^_^)v
・・・
以下、続く・・・。