その頃時刻は午後1時30分になっていた。
ぼちぼちいい加減にどこかで食事を摂らないと、また昼食を摂りそびれてしまいそうだ。
ちょうどその時、そこを右手に入った先が、JR藤代駅だったので、駅前なら何かあるだろうと思って行ってみた。
すると、、、
正に駅前の角地に、地方に行った時によく駅前で見かける駅前食堂のような店があるではないか!?
それで、これはもう、選択の余地なく、ここで食べなければもう機会はない、と思ってその店に入ることにした。
店内には食事中のビジネス風の男女が一組だけいた。
その後食事が終わって店を出るまで、誰も入って来なかった。
さてそれで注文したのは、「野菜炒め定食」。
迷った時にはこれに限る。
野菜も摂れるし肉も摂れる。^_^;
しかも、小皿のタケノコの煮物が美味しかったぁ~~!
と言うことで、休憩も兼ねての食事だったので、ゆっくりと食事を済ませて店を出ると、何と、入る時には出ていた暖簾が店内に納まっていて、入口には「準備中」の札が掛かっていた。
危ない、危ない、、、。
もう少し遅かったら、この店でも食事が摂れなかったってことだ。^_^;
・・・
午後2時過ぎ、食事を終えて外に出ると、歩き疲れた身体の休憩も出来て体力も回復し、いざ後半戦に向けて出発!!
旧道である県道208号線に戻って歩き始めると、その先の一本道を進む辺りは電柱の地名表示が「宮和田宿」となっている。
公式には水戸道中のこの辺りは「藤代宿」となっているが、藤代宿は実際には江戸側(藤代公民館側)の藤代宿と水戸側(藤代駅側)の宮和田宿に分かれていたと言う。
このような事例は、旧街道の宿場町ではあちこちで残っていて、特に甲州道中の宿場では多かったように思う。
と言うことで、その宮和田宿の名残として、その宿場の名前が現在でも使われていると言うことなんだろうが、これは将来的にも残しておいて欲しいものだ。
そして、その県道208号線を真っ直ぐに進んで行くと、その先で県道208号線は左手に曲がって行くが、そこを旧道は真っ直ぐに進む。
するとその先ですぐ堤防に突き当たり、その堤防に沿うようにして左手に曲がって進む。
その曲がり角の先には、「八坂神社」、「熊野神社」と並んで建っている。
嘉永四年(1851)に再建された「熊野神社」の奥殿は、浜床から大床下の彫刻が見事で藤代町指定文化財になっていると言うことだが、その奥殿がすっぽりと外側の建物に覆われていて、全く見ることは出来なかった。
その先辺りで旧道は「小貝川」を渡しで越えたようだが、現在はその200mほど上流にある文巻橋を渡って対岸へと出る。
その文巻橋を渡って行くと、その先には「龍ヶ崎市」と言う看板が見えて、正に茨城県の中にいると感じになった。
小貝川を渡しで越えた先、対岸に当たる所には「慈眼院」が建っていて、そこには龍ヶ崎市指定文化財の十一面観世音像がある。
寺の名前からか、この寺は眼病に霊験があると言われていると言う。
寺の歴史は天慶年間(938~947)と古く、一時は境内も大変広く、寺領も一町歩(100アール)はあり、遠近の参詣者や参観者が多かったと言われているが、明治初年の神仏分離令に際し無檀無禄寺院として廃寺になったと言う。
その後、同8年(1875)村中の総意により七観音八薬師の由緒をもって若柴の金竜寺の末寺として再興されたと言う。
現在は、往時の栄えていた頃が想像出来ないくらいひっそりとした姿になっていて、これが正に明治の神仏分離令と廃仏毀釈の結果のひとつの表れと言うことなのかと実感した。
旧道はその慈眼院の脇から東へ向かっていて、そこから約400m進むと「谷田川」に突き当たる。
ちょうどそこでは右手にJR常磐線が走っていて、旧道はその先の「龍ヶ崎街道踏切」を渡る。
すると、その先には谷田川に「往還橋」と言う、何とも旧道を匂わせる名前が付いた橋が架かっていて、その橋を渡って進む。
そして、600mほど進むと、左から来る県道6号線と合流する。
その交差点は「馴柴小入口」と言う名前になっているが、実際の「入口」はそこから約230m先の小さな交差点だ。
そして、その交差点を左折して行くのが旧道で、その角には木枠で囲まれた道標?が残っている。
そのまま放置したのではどうにかなってしまうと考えた人がいたのか、保護や保全と言うことで木枠で囲ったんだろうが、その気持ちは何ともありがたいものだ。
しかし、こうして木枠で囲まれた道標の存在意義を知ってこの前を通り過ぎる人は一体どれくらいいるんだろうか?
実際、この道標の前で写真を何枚か撮っていると、その脇を歩いて行く人の、「不審な人がいる」と言う視線を感じた。
(実際に、不審な行動だったことは否定しない・・・^_^;)
しかし、その「もの」が何だかわかって行動している人が、わからない人から「不審」に思われる、と言うこと。
何とも不条理にも思えるが、、、
ま、街道歩きをしていると、何度か経験していることなので、よしとしよう~。
^_^;
・・・
以下、続く・・・。