午前10時30分。
京所道をその先200~300mほど進んで行くと、交差点にガードマンが立っていて交通整理をしていた。
この先で工事でもしているのか、休日なので何かイベントでもやっているのか、と思ったがそうではなかった。
その先直進する道は地元住民の車両しか入れないようになっていて、何やら普通の住宅地とは違っていた。
車両の通行規制をしているとは一体この辺りはどうなっているんだろう?
と思っていると、、、
その先で、京王線の「府中競馬正門前駅」の前に出た。
そうか!
あのガードマンの存在や道路規制は、このためだったのか!?(*_*)
何とそこは、あのユーミンの中央フリーウェイで歌われている「右に見える競馬場ぉ~♪」の府中競馬場のようだったのだ。
この駅は、京王線の東府中駅から分かれて一つ目の駅でここで終点、即ち、府中競馬場に来るための路線=京王競馬線でありそのために造られた駅=府中競馬正門前駅のようだった。
駅の改札を出るとそのまま直通で競馬場に行けるようになっていて、この様子は小田原駅から出ている箱根登山鉄道の風祭駅を降りると、蒲鉾で有名な「鈴廣」の「かまぼこの里」に直結しているのと同じ感じだった。
そうこうしていると京王競馬線が入線して来た。
電車のドアが開くと、どっと乗客が降りて来て、改札を通過するとそのまま競馬場に続く通路に向かって一直線に歩いて行った。
なんだなんだ~?
これらの恐らく9割以上の人達は、あと数時間後には大負けしてとぼとぼと帰って行くんだろうなぁ~と思うと気の毒に思えた。^_^;
また、通路の脇には「黄金の馬」の像が建っていた。
黄金の像、これは縁起が良さそうだが、我々が近くに集まっていたせいかどうか、競馬場に向かう人はほとんど無関心なように先を急いでいた。
と言うか、もう頭の中は自分の馬券が大当たりした時のことで一杯だったんだろう。^_^;
そしてこの黄金の馬像には「アハルテケ」とも書かれていたが、アハルテケと言えば、中央アジアの旅に行った時に訪れたトルクメニスタンの牧場で見た馬だ。
その馬の名前を、こう言うところで目にするとは、、、。
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中央アジアの旅「タジキスタン編」参照
さて、競馬場前をすり抜けて崖のようになっている地形の淵に沿う形で進むと、その先で「天地の坂」、「馬坂」を下って上り、「武蔵国八幡宮」と言う由緒ありそうな神社に立ち寄りお参りをした。
現在は静かな人気のない神社のようだが、昔はさぞや大きな神社だったんだろう。
元の道に戻って進むと、その先で住宅街に出て、ほどなく京王線の「東府中駅」の前に出た。
ホームには本線とも言うべき八王子行と、支線と思しき府中競馬正門前行が並んで停車していたが、八王子行がガラガラなのに対して府中競馬正門前行が混んでいたのが何とも印象的だった。
踏切を渡って北側に出ると、その目の前を走っているのは甲州道中だった。
甲州道中は、東海道、中山道を踏破した後の2003年に歩いていて、この場所にも見覚えがあった。
と言うことで、東府中駅の北側の甲州道中から分かれる形で、品川道はスタートした。
そして、そこには「品川街道」の標識が建っていた。
ところでこの「品川街道」と言う言い方。
この時歩き始めたのは「品川道」だが、「品川街道」と同じなのか、違うのか?
実はこの後、「旧品川みち」とか「品川通り」とかいう表示がいろいろ出て来て、それが問題だったのだ。
その先京王線の線路から少しずつ離れるように約10分進むと、右手に「史蹟一里塚」と刻まれた大きな石碑が現れた。
説明板によるとそれは「常久一里塚跡」の石碑と言うことだった。
品川道を歩き始めていきなり現れた街道の史跡に驚いた。
しかしこの説明板には、「この常久一里塚跡は、江戸初期に整備された甲州街道の日本橋から七里のところに設けられた一里塚の跡と伝えられているものである。」と書かれてあった。
と言うことは、ここは甲州道中だったのか?
街道をあちこち歩いている人がその場に何人もいたが、今一つよくわからなかった。
ところでここで興味を惹いたのは、説明板の下に描かれていた絵図の模写で、それは「『府中東方面村落古図写し』に描かれた常久一里塚 猿渡盛厚『武蔵府中物語』より転載 享保・元文年間頃」と書かれたものだったが、その絵図の中でこの道が古道で「品川海道」と書かれていたことだ。
江戸時代のことなので、文字はいろいろと当てて書かれたことも多かっただろうが、ここで「かいどう」が「海道」と書かれていたことは、実に興味深かった。^_^;
そんなことで、疑問を残しつつ再び歩き始めると、その先で昼食を予定していた店に着いてしまった。
品川道とは言っても基本的には古道と言うことで、道沿いは現在はほとんど住宅街になっていて、大きな通り沿いとは違って大勢の人間が一度に食事をするような店はなかなかないと言うことで、リーダーのぱきらさんが予め調べて予約しておいてくれたのだ。
と言うことで、予約した午前11時半ちょうどに店に到着した。
府中駅で集まっていた時に、「料理が提供されるまでに時間が掛かるので」と言うことで、予めメニューを決めてリーダーのぱきらさんが電話で注文を入れておいてくれたが、それにしては料理が提供されるまでにかなり時間が掛かった。
恐らく、全員の料理を一度に出そうと言うことで作ってくれたんだろうが、結局食事を終えて店を出たのは、午後0時45分を過ぎた頃だった。^_^;
・・・
以下、続く・・・。