「神奈川県箱根町で3日、毎年恒例となっている『箱根大名行列』が行われた。
60回目を迎えた今年は総勢180人が大名らの姿に扮(ふん)して江戸時代の参勤交代を再現し、旧東海道や温泉街など約6キロを練り歩いた。
沿道には観光客ら約9万人が集まり、温泉街で繰り広げられた大名行列を楽しんでいた。(日テレニュースより)」
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この大名行列の総勢180人のうち半分の90人が一般の参加者で、今回はその一員として行列に参加して来た。
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当日3日は、朝7時30分までに箱根湯本駅から歩いて10分ほどのところにある湯本小学校体育館に集合することになっていた。
そのため自宅を出たのは朝の5時過ぎだった。
空はどんよりと曇っていたようだが、まだ日の出前だったためにどっちにしても暗くてよくわからなかった。
横須賀線→東海道線→箱根登山鉄道と順調に乗り継いで、湯本小学校体育館に着いたのは7時過ぎだった。
そして受付で名前を言うと、「前徒士」と書かれた札が付いている風呂敷包みを渡された。
その中にこの日行列で着る衣装一式が入っていた。
一緒に行った他の男性二人は「後徒士」と言うことで違った衣装だった。
また一緒に行った女性二人は「腰元」で、体育館の中央に張られた幕の奥に入って行った。
受付の係りの女性からは「係りの者が着付けますので待ってて下さい」と言われたので、取り敢えず待つことにしたが、周囲では既に何人もの人達が係りの女性に手伝ってもらって衣装を付け始めていた。
見ていると、大体一人に対して係りの女性が一人付いて着付けていたが、役どころによっては二人係で着付けていた。
なので暫くその場で待っていたが、なかなか我々の着付けに来てくれそうになかった。
それで取り敢えず自分でもできそうなことくらいはやっておこうと思って、足袋(黒)を履いて、脚絆を付けて、襦袢を着てひも状の帯を巻いて、、、などしていた。
それで待っていてもまだ係りの人はやって来なかった。
それで適当に着物を着て、とかやっているうちに漸く係りの女性がやって来た。
(あとは帯を巻いてもらえればOKかな?)
何て思っていたら、
「これ、一人で着たの?」と言われたので、「はいそうです」と答えたら、「全然ダメ! はい、全部脱いで最初からやり直し!!」と言うことで、専門の係りの女性に着付けてもらったら、これはさすが!
最後に帯を締めて、「どう、きつい?」と聞かれたので、「まあまあくらいでしょうか」と答えると、「それじゃあ」と言うことで、最後にググッともう一度力を入れて帯を締めつけてくれた。
これで完了!!
その後、別の係りの女性が草鞋を履かせてくれたのだが、その際、自分で勝手に巻いた脚絆を「これ自分でやったの?」と言わたので「はい」と答えると、「ダメダメ」と言われて、またまたきちんと脚絆を巻き直してくれた。
その上で草鞋を履かせてくれた。
本物の草鞋を履いて約6kmも歩くなんて、長い人生の中で初めての体験だ。
何だかワクワクしたが、その係りの女性は草鞋を履いての歩き方をアドバイスしてくれた。
それによると、靴を履いている時のような歩き方、地面への設置の仕方~地面の蹴り方?などをしているとすぐに足裏が痛くなると言うことだった。
実際、草鞋を履いて体育館内を少し歩いているだけで、足裏の指の付け根近くが痛くなって来た。
こんなことで大丈夫だろうか?
まぁ~、昔の人はこれを履いて歩いていた訳だし、何とかなるだろう、、、と言うことで、これで一応衣装の準備は整った。
衣装の着付けは午前9時までとなっていたので、衣装を着てからもまだ一時間以上時間は残っていた。
見ていると、午前8時半頃になってやって来て、それから着替え始める人達も何人かいた。
それらの人達は、着替えた衣装の様子から一般参加の人ではない地元の人達だったのかもしれなかった。
または過去に参加した経験のある人は、様子がわかっていて、ゆっくりとやって来たと言う人もいたのかもしれない。
また、そんな時間の中でスペシャルゲストの俳優の「西岡徳馬さん」が体育館の中に入って来て、中央の幕の向こうに入って行った。
腰元達による話では、西岡さんは更にその奥の部屋に消えて行ったと言うことで、恐らくステージ脇の小部屋で衣装替えを行っていたのだろう。
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午前9時になったので体育館を出たところで「小道具」、、、これは役柄に合わせたもので、前徒士や後徒士は、刀と脇差、それに笠だったが、それを受け取って刀と脇差を差して笠を被って準備は完了した。
役によってはかつらを付ける人もいたが、前徒士や後徒士は笠を被るのでかつらはなしだった。
ところで、前徒士や後徒士は御存じの人も多いと思うが、「徒士」とは徒歩で戦う下級武士のことで、武士なのだ。
それで前徒士は大名を前で守る役目、後徒士は大名を後ろで守る役目と言うことで、行列においてもその並びとなっていた。
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そして9時15分頃から全員が校庭に集まって、町長などによる挨拶が行われた。
町長の話では、60回行われた大名行列も観光協会主催で行われるようになってから50回だが、そのうち雨で中止になったことは2回しかなかったとのこと。
それだけ11月3日と言う日は天気上「特異日」と言うことで、雨が降ることは滅多にないと言う話だった。
実際前日は雨が降り、この日は朝のうちは曇っていたが日中は晴れ間も少し出て、夜から翌日にかけては再び雨が降る、と言う天気だった。
何とも、ホントにラッキーだった。^_^;
また、スペシャルゲストの西岡さんの挨拶も行われた。
さすがと言うか、華がある人のように感じた。^_^;
そして、実行委員長だか誰かによる行列の歩き方の簡単な指導が行われた。
それは、行列はただ漫然と歩くのではなく、数分に一度「演技」が行われるが、その際一般参加の人達は「下にぃ~~!下に!!」と言う声に合わせて、ゆっくりと左、右、左、を足を踏み出すと言うことだった。
その演技が始まる際には拍子木がゆっくりと三度なるので、三回目の音を聞いたらそれからゆっくりと足を踏み出す、と言うことだった。
それが数分続いた後は、今度は拍子木が乱打されるので、その音を聞いたら演技は終わりと言う合図なのでそれからは普通に歩いていいと言うことだった。
あと注意することは、列を乱さないこと。
歩いている時は飲食をしないこと。
(え、そんなことだけでいいの?)
と言うことで、1~2回ほど「下にぃ~~!下に!!」の歩き方の練習をして、それで終わり。
その後、「小田原北条鉄砲衆」による、空砲での発砲を皮切りに、午前10時にいよいよ行列は箱根の旧道へと繰り出した。
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以下、続く・・・。