午後2時50分過ぎ、引き続き世界遺産のトルン旧市街を歩く。
右手に見える塔のある建物は精霊教会のようだ。
この教会は旧市街広場の角に建っているが、今回は見学の予定にはなっていなかった。
旧市街広場の精霊教会の向かいに建っているのは旧市庁舎で、そこから見える面は時計台が見えていた面とは違う面だ。
それだけ旧市庁舎は大きく旧市街を代表する建物のようだ。
旧市街広場には花屋が並んでいた。
ポーランドの人達は、花が好きらしい。
^_^;
旧市街にはこんな建物も建っていた。
そして、旧市街広場から続く路地に入って行くと、そこには聖母マリア教会が建っていた。
ゴシック様式のこの教会も、大き過ぎて間近からだと全体像が写らない。
教会内に入ると、14世紀に描かれたフレスコ画が残っていた。
一時期プロテスタントの教会になっていたと言うが、よく無事に残っていたものだ。
昼食後、ずっと歩き続けて来たので、休憩も兼ねて教会内の椅子に座って説明を聞いた。
聖母マリア教会を見学した後は、コペルニクスの生家に向かった。
旧市庁舎広場の前を通るシュロスカ通りの一本南側の通りに面して建っているその建物は、現在は博物館として公開されている。
館内に入ると、一階から二階、三階とコペルニクスに関するものが展示されている。
各階ともそれほど広くなく、数人が入るといっぱいになるくらいだったので交代で見学した。
これはコペルニクスの肖像画のようだ。
あちこち、コペルニクスに関係のあるところで見た顔だ。
ところで、コペルニクスは地動説を唱えた天文学者として有名だが、天文学ばかりでなく法律を学んでいたり医学にも精通していたらしい。
そのため、この博物館にはそう言ったことに関係するものも展示されていた。
と言うか、中世の頃のこうした学者は、いろいろな学問を研究していたようだ。
「それでも地球は周っている」と言ったと言うイタリアのガリレオ・ガリレイは、物理学者、天文学者、哲学者だったと言う。
イタリア人のレオナルド・ダ・ヴィンチもまた、絵画、彫刻、建築、音楽、科学、数学、工学、発明、解剖学、地学、地誌学、植物学等で功績を遺したと言う。
と言うことで、コペルニクスもただの天文学者ではなかったようだ。
そして、最上階には天球儀が展示してあった。
これぞコペルニクスの最大の功績、地球が太陽の回りを周っていると言う地動説を唱えたことを称えているようだった。
とは言っても、宗教上追及されると言う問題があったため、彼は生前はこの地動説を公にはしていなくて、彼の死後になって、地動説を唱えた彼の書物が出版されたと言う。
そんな話を聞くと、時代は下るが、「それでも地球は周っている」と言ったと言うガリレオ・ガリレイとの違いを感じる。
しかし、ガリレオの時代にはコペルニクスの時代にはなかった望遠鏡で木星の周囲を周る衛星が確認出来たので、全ての天体が地球を中心にして周っていると言う天動説に矛盾があることはわかっていたと言う。
時代が進めば明らかになって来る事実もあったと言うことで、そんなことがガリレオが強く地動説を主張出来たと言う背景にあったと言うことなのかもしれない。
そして、コペルニクスの生家の地下には、ピエルニク体験博物館があった。
さて、その「ピエルニク」とは何なのか、知らなかった。
ポーランド政府観光局の説明によると、
「ピェルニクは、様々な香辛料やはちみつ、しょうがなどを混ぜた生地にジャムなどをはさんで焼き上げ、表面にチョコレートや砂糖で飾りを施したお菓子です。
今日ではトルン市の名物として、お土産にも、またおもてなし用のお菓子としても絶大な人気をほこります。
(中略)ピェルニクの歴史は古く、かつてはハンザ同盟の都市のシンボルとされていました。
というのも、ピェルニクの材料に欠かせない香辛料やドライフルーツ・木の実などはヨーロッパ以外の原産のものが多く、海を越えて運ばれてくる大変高価なものばかりでした。それらをふんだんに使ったお菓子を焼くということはとりもなおさずハンザの商人たちが持っていた世界をまたにかける交易範囲の広さと裕福さを示す、豊かさの象徴だったのです。」とのことだ。
これはなかなか歴史がある、由緒のあるお菓子のようだ。
そして、この博物館では、ピエルニクを作ることが出来るようになっていて、我々もその体験をした。
机の上には、体験製作が出来るように、木型とかローラーとかナイフとかの一連の道具が用意されていた。
そして、まずはピエルニクの種が全員に配られた。
これが種。
まずは木型の内面に刷毛で油を塗って、その上で種を木型に入れて、型に隙間がなくなるくらい押し込んで、そしてローラーを使って更に押し込んだ。
その後、木型から種を取り出した。
一応の形にはなっているようだった。^_^;
その後、周りのバリをナイフで切り取った。
ここで出来上がったものは係の人に集められて、博物館内にある窯に入れられて焼かれることになった。
その焼いている時間に、館内の案内をしてもらい、その後焼き上がったピエルニクをもらった。
それは体験として作ったものなので食べられないのでお土産にと言うこと配れて、それとは別に実際に食べられるピエルニクをもらった。^_^;
ところでこのピエルニクは、ジンジャーブレッドと言われる生姜を使った洋菓子のカテゴリーに含まれるお菓子と言うことで、ジンジャーブレッドは東ヨーロッパからアメリカまで広く食べられているお菓子とのことだった。
それがポーランドではこのトルンで作られているピエルニクがジンジャーブレッドのお菓子として有名と言うことだった。
いやぁ~~、
知らないことばかりで、大変勉強になった。^_^;
・・・
以下、続く・・・。