今日は「蕎麦屋」で昼食を摂ったんだ。
特別蕎麦を食べたかったってことでもなかったんだけど、どうにも他に食事ができるような店が見当たらなかったんだよね。
で、已む無く・・・。
先月末に信州の安曇野で新蕎麦をたっぷりと堪能してきたんで、今日の店でも
「新蕎麦打ってます」と書かれた表示を見て、また食べてみようかな?と思ったってこともあったんだ。
そして、入口のドアのところに立つと自動ドアがガラガラと開いて店内の様子が見えたんだ。
12時少し前の店内には先客が二人(別々に)いいたんだ。
すると、店の奥の方の姿が見えないところから
「いらっしゃいませぇ~」って言う、
年配の男性の声がしたんだ。
そして、どこに座ろうかと思って、結局入口に近いテーブル席に腰を下ろすと、奥からお盆の上におしぼりとお茶を載せてかなり年配の女性がやってきたんだ。
「いらっしゃいませぇ~」と言ったその女性は、若く見ても75はいってるように思えたんだ。
(この店は、老夫婦がやってる店なのか?)
そんなことを思ってちょっと不安になったんだ。
そして、
「ご注文が決まりましたら声を掛けてください」と言って、その女性は奥へ消えたんだ。
湯呑のお茶を飲みながら、、、
(このお茶、出がらしじゃない? お茶の香りも味も全くしないねぇ~) と思いつつ、メニュー表の中から気になるのがあったんで、
「すみませぇ~ん」と声を掛けると先ほどの女性がやってきたんだ。
「この、三色蕎麦ってどんなのですか?」って聞いたら、
「あ~、それは、大根おろしととろろと山菜の蕎麦で、三段重ねになっているものです」と答えてくれたんで、
「じゃあ、それ、お願します」って言ったんだ。
そして、蕎麦が出てくるまで店内をぼ~っと眺めていると、厨房の方から時々70代と思しき白い服を着た男性が出たり入ったりしているのが見えたんだ。
(あれがこの店の店主かな? さっきの女性の旦那さんか・・・)
それとは別に、時々ほとんど動きのない40代と思しき女性も姿を見せていたんで、この店は3人でやってるのか、、、とか思ったんだ。
その後それほど時間が掛からないで注文した蕎麦が出てきたんだ。
お盆には、直径10数センチくらいの蕎麦を盛った器が3段になっているものと、蓋と注ぎ口が付いた何やら液体が入った陶製の器と、いっぱいの刻みネギとわさびが盛られた小皿が載っていたんだ。
それで、さて食べようか、、、と思って、まずは注ぎ口が付いた器の蓋を取って中を覗いてみたんだ。
そこには、ほぼ透明の液体が湯気を出していたんだ。
(む? これはもしかして、蕎麦湯か?) 、、、と一つ不明なことが解明されたんで、さて、、、
と思って、3段重ねになっていた一番上の大根おろしが載っている蕎麦を食べようと思ってよく見ると、
刻んだ紅ショウガが大根おろしの上に載ってるじゃん!
大根おろしは紅ショウガの色がにじみ出していて、中途半端に色づいていて妙な感じになっていたんだ。
そして、更にホントにカス!!と言った感じの天かすも恥っこにパラパラっと載っていたんだ。
それを見て、ど~にも美味しく見えないんだよね。
(参ったなぁ~、、、店の選択、誤ったかなぁ~)
と思いつつ、とにかく食べることにしたんだ。
しかしそこで気が付いた。
(あれ? 蕎麦つゆはどうなってるんだ?)
蕎麦つゆが入っているはずの器がない!
(もしかして、始めから蕎麦に掛ってるってことか?)
蕎麦を少し掻き回して様子を見ると、何か液状のものが少し掛っているようないないような感じでね。
これまたど~にも中途半端なんだよね。
で、とにかく一口食べてみようと思って蕎麦を2~3本箸にとって口に入れたんだ。
(味がない・・・)
それなら、あの蕎麦湯のような液体、、、もしかして、これに味が付いているのかも?
って言うのも、この店はメニューとしてうどんも出しているんだけど、健康のことを考えて、塩を抜いたうどんを客に出してるってことが書かれていたんだよね。
それくらい工夫しているようだから、もしかして蕎麦湯にも味を付けて蕎麦つゆとして出しているのかも?(そんなこと、あるかぁ~?)って、思っちゃったんだよね。
それで、一番上の段のその器に、蕎麦湯状の液体を注ぎ口から少し入れてみたんだ。
そして、大根おろしと天かすをかき混ぜて、今度はいつも食べているように箸にざっくりと挟んで口に入れてみたんだ。
(味が、ない・・・) まるっきりの蕎麦湯そのものだったみたいなんだ。
そこで、漸くおいらは、、、
(もしかして・・・)と思って、手を挙げて、
「すみませぇ~ん」って、先ほどの女性を呼んだんだ。
おいらの声を聞いて、先に食事をしていた客が食事を終えて会計をするために声を掛けたと思ったのか、その女性、
「ありがとうございます」と言いながら奥から出てきたんだけど、声を掛けたのがおいらだとわかると、さくさくとおいらの方に向かってきたんだ。
「何でしょうか?」
「あのぉ~~、、、これって、蕎麦つゆってないんですか?」っておいらが聞いたんだ。
するとその女性、はっ!(*_*)とした感じになって、
「蕎麦つゆ出してませんでした!? これは失礼しました!」 と言うのと同時に、と言うかそれが言い終わらないうちに奥へさささっ!と小走りに消えて行くと、右手に蕎麦屋でいつも蕎麦つゆが入って出されてくる器と同じような器を手にしてすぐに出てきたんだ。
その様子からすると、蕎麦つゆの入ったその器をどこかに置き忘れたままお盆を持って来たと言うように見えたんだ。
「申し訳ありませんでした・・・」 。
(そ~言うことだったのか、、、やっぱり)
しかし、おいら、既に一番上のその蕎麦を半分くらい食べちゃってるんだよねぇ~。
おまけに、よくわからないまま、蕎麦湯まで入れちゃってね・・・。
(ど~してくれるんだ!)
とは口にはしなかったけどね。
(失敗したなぁ~、、、)
と後悔しつつ、2段目のとろろ蕎麦を食べたんだ。
で、そのとろろ蕎麦は極当たり前のとろろ蕎麦でね。 盛り付けは蕎麦屋の盛り付けって言うより、一般家庭の盛り付けって感じなんだよね。
で、少々不安になって、2段目を食べながら一番下の山菜蕎麦を見てみると、、、
(何だ、こりゃ~?)
普通、「山菜蕎麦」って言えば、ゼンマイとかキノコ系の山菜が何種類か入ってると思っていたんだけど、何だかよくわからない茎が一種類だけパラパラっと蕎麦の上に載っていたんだ。
そんな時に、さっきの年配の男性が出前の格好をして品物を抱えてヘルメットを被って店を出て行ったんだ。
(え!? すると厨房の中にいるのは一体誰なんだ? あの動きがほとんどない40代の女性なのか?)
何だかよくわからない店だ・・・。
ま、ともかく全部食べ終わって、さて支払いをしようと椅子から立ち上がると、今まで姿を見せなかった40代後半~50代前半と思しきしっかりとした感じの女性が出てきたんだ。
そしてその女性に伝票と合わせてお金を支払ったんだ。
もしかすると、あの最後に出てきた女性が蕎麦を打って作って客に出してるのかな?
もしかすると、あの最後に出てきた女性は、あの老夫婦の娘さんかお嫁さんか?
いずれにしても、
店の選択を失敗してしまった、、、とほほ。
いや、決して不味かったって訳じゃないんだけどね。
あれじゃあ、家で蕎麦を茹でて食べた方がいいくらいだ、、、なんて、店を出て思っちゃったんだ(^.^)
とほほ、、、
一食、損した感じだなぁ~(T_T)