第七日目 9月21日:その1
この日は、山の急斜面に段々畑のように家が立ち並ぶマースーレ村に立ち寄った後一路テヘランに向かい、夜には空路イラン第2の都市「マシャド」へ向かう予定になっていた。
マースーレ村へ向かう
今日から「冬時間」
モーニングコールは6時半だったが、昨日で夏時間が終わり今日から冬時間になるため、時計を1時間戻すことになっていた。
即ち、今朝の6時半のモーニングコールは昨日の7時半に相当する、、、と思ったら、何だか1時間儲けたような気になった。(^.^)
と言うか、1時間余計に眠れたような気になっていた。
と言うのも、昨日は長い移動の一日でホテルに着いた時間も遅く、夕食を終えて部屋に入ったのは午後10時近くになっていたのだ。
それからシャワーを浴びたり一日の整理をしたりして、結局床に入ったのは午前0時過ぎていた。(その時は夏時間だったので、まだ時計は修正していなかった。)
それで、睡眠時間も6時間くらいか、、、と思ったが、それが寝ている間に1時間、時間が動いた結果、6時半のモーニングコールで起きても7時間強眠れると言うことになったのだ。
何とも妙な感じだが、ありがたかった、、、^_^;
雨です
朝起きて早速窓の外を見てみると、あいにく雨が降っていた。
イランに来てから初めての雨だった。
ホテルの前は綺麗に手入れがされている庭になっていて、その向こうにはカスピ海が見えていた。
昨晩は暗い中ホテルにチェックインをしたので、ホテル周辺の景色は全く見ることができなかったが、カスピ海がこんなに目の前に広がってるなんて・・・。
そこから見えるカスピ海は、まさに「海」と言い表すのにふさわしいように見えた。
さて、今日もまたまた長い移動の一日となる。
午前中に訪れる「マースーレ村」はバンザルアンザリから南東へ70~80kmのところにある村で、更にその南東約50~60kmくらいのところには、3日目に宿泊したザンジャンの町があると言う位置関係だ。
そしてマシャドに到着するのは、午後11時25分の予定になっていた。 いつもならこれから寝ようかと言う時間である。
そのため、少しでも早い時間の出発、と言うことで、8時に出発することになっていた。
起床からホテルの出発までは2時間近くあったが、外では雨が降っていたので恒例の朝の散策もやめて、7時15分からの簡単な朝食を摂った後は出発まで部屋の中で過ごすことにした。
天気がよければカスピ海を望みながら散策ができただろうに、ちょっと残念だった。
Fuman(フーマン)と言う町で小休止
8時にホテルを出発すると、30分ほど走ったところで一度警察でタコメーターチェックを受け、その後9時過ぎに、「Fuman」と言う町に入った。
そして、町の中心部にバスが入ると、広場のところで暫くバスは停車した。
そこで、広場に面したところに建っていた警察関係の建物にセイフィさんがバスから降りて行って何やら話をしに行ったようだった。
一体どうしたのかと思っていると、セイフィさんがバスに戻って来て、この町では町中をバスが通行することが規制されていると言うことを言った。
ではどうしたらいいのか・・・?
そのことについて警察との話に少し時間が掛りそうだと言うことで、その待っている間の時間、町の写真を撮るくらいならバスから降りて構わないと言うことになった。
それで、バスが見えるところから離れないように、と注意をされた上で早速バスから降りて、その周辺を歩いてみた。
この町は町全体が美しい町で、その辺りには花が咲いていたりモニュメントが建っていたりしていた。
その後10分ほどで問題は解決したらしく、セイフィさんが戻って来たので皆さんバスに戻り、Fumanの町での予定外の写真撮影タイムが終わり、バスはすぐに出発した。
ところで、この町では「コルチェ」と言う、ニッキやクルミ、砂糖などを混ぜて焼いた菓子が有名だと言うことで、その菓子を食べてもらいたいと、セイフィさんがバスを止めてコルチェを焼いている店に買いに行った。
ところが、その後戻ってきたセイフィさんは手ぶらだった。
残念ながら、その時はコルチェを焼いてなくて、品物が店になかったと言うことだった。
いやぁ~~、
ないとなるとどんな菓子だったのか、余計気になってしまう。^_^;
が、しょうがない・・・。
セイフィさんの話によれば、帰りもこの町に立ち寄るので、その時もう一度店を見てみましょうと言うことだった。
徐々に登って行く
Fumanの町を出て再び田園風景の中を約30分ほど走ると、バスは少し高度が上がった辺りに入り、道路の右手にはバンガローのような建物が何棟も建っているのが見えて来た。
この辺りはどうやら夏の間、避暑に来たりピクニックに来る人が多いようだった。
そして午前10時近くになった頃、前方に急な山肌に貼り付くようしてびっしりと家が建っている光景が見えて来た。
マースーレ村に到着
左手に川が流れ、その川を跨ぐようにして架かっている小さな橋の手前の駐車場でバスは止まった。
その橋がマースーレ村の入口のようになっているようだった。
そこから眺める村の様子は、まるで段々畑に家が建っているような風景で、それは規模は違うが去年訪れたアルバニアの千の窓を持つ村と言われる「ベラート」を思い出した。
ところでイランの中でこの辺りは「ギラン(GILAN)」と呼ばれる州で、他の地域とは異なる文化を持つ小さな村が残っていて、マースーレ村もそのひとつと言うことだった。
また、この辺りに住む人を「ギラン人」と呼んでいると言うことだった。